シザーケースのデザインについて。
以前は「オーダーメイドのシザーケース」を中心に製作していましたが
今年に入ってからは今までの製作経験を基にBlink Leather Worksのオリジナル製品を
「定番化」させることに時間を費やして来ました。
そのきっかけは、様々なオーダーをいただく中でオーダーメイド製作の「限界」がみえてきたからです。
お客様の要望を聞いてそれに沿って製作して販売する。
もしかしたらその方がより満足していただけるのかもしれないですが、そこにBlink Leather Worksの想いや意図がなければ誰が製作しても同じということになってしまうからです。
それはヘアデザインにおいても同じことで
「美容師」であるみなさんが一番よく理解されていることだと思います。
Blink Leather Worksが最初にシザーケースの製作を始めたのは2010年です。
当初、デザインした-square-は今でも大きなデザインの変更をすることなく
常に人気のあるシザーケースですが、これまでに5回のアップデートを行ってきました。
これは-square-に限ったことではなくBlinkのシザーケース全てです。
きっかけの多くは、実際にお使いいただいているお客様からいただいたご意見です。
製品の場合、ユーザーの癖や使い方によって「破損」や「消耗」する箇所は異なりますが
同じ商品をつくり続けることでその「原因」や「改善点」がみえてくることもあります。
ほつれやすい所は手縫いで補強したり、消耗しやすい金具は他の金具に変更したり。
革の厚みを微調整してデザインと耐久性の「調和」を図ってみたり。
そんなすこしの「積み重ね」が使いやすく自然とフィットする製品づくりにはとても大切で
その経験こそがユーザーとともにつくり上げた「定番商品」であり、Blinkの「財産」あると思います。
単に表面的なデザインをするのではなく、使い手にとって本当に使いやすい製品を提供すること。
それを第一に製品づくりをしていきたいなと。
一方、オーダーメイドの製品になるとその製品に対しての「経験値」が少なく、
一発勝負のような所があり、その製品を自信を持って提供することができない場合があります。
そのようなリスクを事前に回避するために一度、製品サンプルを作って性能を確認するには
手間も時間も要するためそれなりの費用がかかってしまうというのが現状です。
もちろん、その点をご了承いただける方も多く現在もオーダーメイドの注文をお受けすることもあります。
長くなりましたが、すこしでもより良い製品・サービスを提供できるよう
これからも試行錯誤していきますので製品についてのご相談やメンテナンス方法などわからないことは
気軽にお問い合わせください。
Blink Leather Works 田中